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「幻のオリンピアン」講演会 本校卒業生 渡辺幹男氏
7月7日 本校卒業生で、1980年モスクワオリンピックで幻の日本代表選手となった渡辺幹男さんが小松島キャンパスに来校。渡辺さんはこの度,東京オリンピック2020の聖火ランナーとして地元の地を走りました。聖火のトーチとユニフォームをお持ちいただき、生徒会役員、自転車競技部員の生徒に向けて貴重な講演をいただきました。
※「幻のオリンピアン」とは?
1980年に開催されたモスクワオリンピック。(当時ソビエト連邦、現ロシア)しかし、前年の12月ソ連軍はアフガニスタンに侵攻し、軍事介入を行った。この武力侵攻を批判したアメリカはモスクワオリンピックのボイコットを各国に呼びかけ、イギリス、フランス、ドイツをはじめとする西欧諸国や日本など多くの国々が同調し、オリンピックの不参加を決定した。すでにオリンピック日本代表に決定していた選手たちは、出場することができず「幻のオリンピアン」と言われるようになった。
「モスクワオリンピック日本代表選手の証」
渡辺さんは当時日本大学の3年生。国内外の主要な大会では常に優勝を果たし、ユニバーシアードや世界選手権など国際大会でも上位入賞し世界でも十分に戦える実力者。オリンピックでもメダルは確実視されていました。オリンピックに出られないその無念さは、我々の想像を超えるものだったと思います。
大学卒業後はプロの競輪選手として長く活躍された渡辺さん。
ゆかりのオリンピアンとして、今回東京オリンピック2020の聖火ランナーに選ばれました。
「東京2020の聖火トーチを手にユニフォーム姿を披露していただきました」
講演では
・東北高校で自転車競技を始めたきっかけ
・高校時代の思い出と壮絶な練習量
・大学時代の競技生活、国際大会に出場した時の様子
・日本がオリンピックをボイコットしたために出場できなかった時の心境
・今の高校生、後輩に対するメッセージ
などの内容をお話いただきました。
「渡辺さんと自転車競技部監督相原先生」
「自転車競技が自分の人生哲学を確立してくれた。東北高校に入学したことによって自分の人生は豊かなものになり、心から感謝している」きっぱりと言われた姿が印象的でした。
生徒からの質問コーナーでは多くの質問が飛び出します。
「一番感謝している人は?」
「多くの努力を続けてこられたが、中でも最も努力したことは?」
自転車競技部員からは
「プレッシャーに打ち勝つには?」
「ウォーミングアップの方法は?」
など自転車競技のより具体的な質問が・・・・・。
渡辺さんは一つひとつの質問に対し、真摯な姿で丁寧に答えてくださいました。
「生徒会役員生徒と一緒に」
「自分を信じ、一日一日大事に努力し続けること。笑顔で前向きに、感謝することを忘れず礼儀正しく過ごすことの大切さ」を強調されていました。聞く者にとって深く心に刻まれる言葉です。
「自転車競技部員とともに記念写真」
「トーチを手にしてみる生徒会役員」
講演後の会場には「清々しさ」があふれ、参加した生徒の表情は「満足感」に満たされていました。
「全員で記念写真」
「終了後、拍手で渡辺さんをお送りします」