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ONLY ONE ! -きらめき人物図鑑- Vol.1 ユリの交配で「毎日農業記録賞」入選を果たした藤田 理史さん(文理コース2年)
今年度第1弾のONLY ONEは文理コース2年の藤田 理史(りひと)さん(宮床中出身)
小学校4年生から始めた「ユリの交配」を盛り込んだ作文「育種が導く農業の未来」で、昨年「毎日農業記録賞」に応募し、見事入選した植物が大好きな高校生です。
(※ 毎日農業記録賞は、「農」「食」「農に関わる環境」への関心を高めるとともに、それに携わる人たち、これから携わろうとする人たちを応援する賞 毎日新聞社HPより)
そんな理史くんに、植物にまつわる活動の様子や将来への思いについてお話をお聞きしました。
<まずは、ユリの交配を始めることになったきっかけや経緯を教えてください>
もともと父が植物好きで、バラを育てていて、、、小さいころから草花に囲まれている環境でした。小学校3年生の時、たまたま赤いタンポポ(コウリンタンポポ)が咲いているのを見つけて、「これはなんだろう?」と興味をもったのがはじまりです。最初は図鑑でいろんな植物を調べていたのですが、そのうちきれいなユリに惹かれるようになりました。
はじめてユリの交配にチャレンジしたのは小学4年生の時。この頃はあまり知識もなくやっていたのですが、いろいろな知識を得て本格的に交配をするようになったのは、中学2年生の時です。
<そもそもユリの交配とはどういう方法で行うのですか?交配の目的も教えてください>
交配したいユリは、つぼみの状態の時に中から花粉を取りだして、おしべは自家受粉しないようにアルミなどで覆っておきます。そこに交配したいユリの花粉を付けます。やがて種ができて、それを育てていきます。小学校4年生の時に交配したユリが今、やっと小球根にまで育っていて、花が咲くのはもっと先になりそうです。
ユリは種分化が進んでいるので、種類も豊富で交配には適しているんです。そして、花が美しく球根は食べられる。しかも強い。
ぼくは、ユリを交配することでこのユリの特性の”いいとこどり”ができるんじゃないかなと思ったんです。もし、世界が食糧危機に陥っても、「強くて美しくて美味しいユリが役に立つんじゃないかな」と。
取材に応える理史くん
<昨年の「毎日農業記録賞」入賞についてくわしく教えてください>
自分の志望大学は東京農業大学なんですが、その大学についていろいろ調べている中で、この「毎日農業記録賞」に協賛していることを知りました。これに応募して、今まで自分がやってきたことについて、他の人にも読んでもらいたいと思いました。
それで自分のこれまでの体験や実践、そして提言、目標を「育種が導く農業の未来」という文章にまとめて応募したんです。それが入選につながりました。
入選の賞状を手に
<ユリの交配をしていて一番うれしかったできごとはどんなことですか>
育てる環境にもよりますが、交配して種をつくる過程でも、なかなかうまくいかなかったり、受粉しても途中でダメになってしまうものもたくさんあります。だから、
種ができてさらにそれが発芽したときは本当にうれしいですね!自分の交配したユリはまだ花が咲くところまではいってないですが、花が咲いたらきっと感動して泣いてしまうかもしれませんね(笑)
自室に作った温室はもう立派なラボ!
現在、高校2年生の理史くんは、東京農業大学への進学を目標に勉学に励む傍ら、自分の部屋の中の小さな温室で日々ユリの交配に取り組んでいます。「僕は生物の中でも植物、そしてその中でもユリについては詳しいんですが、例えば動物とか他のことはあまり知らないんです。本当に狭く深くなんですよね!」と笑いますが、その「狭く深く探究していくこと」こそ他の誰にもできない大切な何かに繋がっていくのでは・・・? 理史くんの話を聞いていると、そんなワクワクを感じます。
将来の夢は育種家になって自分の作った種を世界中に広めること!
近い将来、理史君の作った「強くて美しくて美味しいユリ」に出会えることを夢みて、私たちはずっと応援しています!!