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ONLY ONE ! -きらめき人物図鑑- Vol.3 津波伝承館(石巻市)でボランティア解説員を務める 佐藤 晴紀さん(文教コース3年)
「ONLY ONE! きらめき人物図鑑」の第3弾です。
今回は石巻市にある「みやぎ東日本大震災津波伝承館」のボランティア解説員に認定され、実際に解説員として活動している文教コース3年生の 佐藤 晴紀さん です。
今年8月に石巻市の「みやぎ東日本大震災津波伝承館」のボランティア解説員に認定されたいうことで、11月16日の河北新報にも紹介された晴紀さん。その経緯や活動について改めてお話を伺いました。
<「みやぎ東日本大震災津波伝承館」のボランティア解説員を務めることになった経緯を教えてください>
高校1年の校外研修で、福島県にある「東日本大震災・原子力災害伝承館」を訪問しました。そこで実際に被災者の方の話を聞いたことがきっかけで防災に関心をもつようになって。そこから防災の事をいろいろと学ぶ中で、自分の学んだことや経験を何か形として残したいなと思うようになりました。そんな時に石巻の「みやぎ東日本大震災津波伝承館」でボランティア解説員を募集していることを知ったんです。それで、「やってみよう!」と思い、応募しました。
所属している剣道部の活動などと重なって、石巻で研修を受ける時間が確保できないこともありました。そんな時は家で空いた時間に解説の練習を繰り返しました。
<ご両親は自衛官とお聞きしていますが、ご両親からの影響もあったのでは?>
そうですね。父は東日本大震災当時、被災地で行方不明者の捜索にもあたっていたそうです。自分にもその体験をよく話してくれました。だから、震災復興や防災については身近に感じたり考えることができる環境だったと思います。
<実際に伝承館ではどのような活動をするのですか>
来館者に対して、館内に設置しているパネルやモニターを使って東日本大震災の被災の様子や、時には犠牲になった方のこと、また防災に関することなどを解説しています。来館者の方は年齢層や来館の目的も様々です。例えば小学生などにはクイズ形式で興味をもってもらうような工夫もしています。
難しいのは、やはり犠牲になった方の話など負の部分の話をしなければならないこと。来館者の中には被災経験のある方もいるので、あまり強い表現やそこを強調しすぎることがないように気をつけています。
<ボランティア解説員を務めて良かったと思うことは>
ボランティア解説員を務めていると、こちら側が話をするだけでなく、ご自身の体験を話して下さる方がいます。自分は今後さらに防災について学びたいと考えているので、被災した方の体験を聞くことで自分の知識や考えを深めることができるのはとても貴重です。
今どき珍しいくらいに折り目正しく、背筋をピンと伸ばしてインタビューに応えてくれた晴紀さん。そのまっすぐな姿勢には彼の誠実な人柄と強い意志が表れているように感じました。
インタビューを終えて部屋を出る時、持ってきた「防災士資格認定書」を見せてくれました。これはボランティア解説員を務めるにあたって、防災の知識が必要になると思い、勉強して取得したものだそうです。自分の貴重な時間を割いてボランティア解説員を務める、その原動力になったのは、防災に対する強い思いと誰かのために役立とうというボランティア精神です。
晴紀さんは卒業後、東北福祉大学に進み、福祉行政について学びます。そして大学進学後も、このボランティア解説員は続けるつもりだと話してくれました。
晴紀さんが今後、このボランティア解説員の経験を生かし、防災の担い手の一人として活躍することを楽しみにしています!